7月14日(火)に神奈川芸術劇場で開幕した『マンマ・ミーア!』。
コロナの影響での演出変更はほとんどない一方で、
舞台装置の違いによる演出変更やソフィーの衣装変更などがありました。
そのため、今回は「舞台装置の違いによる演出変更」と「ソフィーの衣装変更」をまとめてみたいと思います。
横浜公演の舞台装置
まず、今回の公演の舞台装置はこちらです。
(記憶ベースのイラストですが...)

通常.verの舞台装置と比べるといたってシンプル。
おそらくこちらは全国公演などで使われている簡易ver.の舞台装置ではないかと思います。
細部の違いは多々ありますが、演出に変更を与えている違いは大きく3箇所です。
- 座るスペースもある高めの階段:左右の扉前に低い(2or3段の)階段のみ
- 壁に打ち付けられた金具:なし
- 桟橋:なし
イラストに追記してみるとこんな感じ。

階段がは通常.verより低く、段数も少ないです。
また、壁をのぼるための金具がなく、せりあがる桟橋もありません。
通常.verだと下記イラストのような設置になっています。
こちらの舞台装置に見覚えがある方が多いのではないでしょうか?

では、舞台装置が異なることで演出にどんな違いがでているのか。
覚えている範囲で記録していきたいと思います。
演出の違い
階段
今回高めの階段がなかったことで、ソフィーが座る時は、壁の間のくぼみ(かろうじて人1人座れる程度)のスペースが活用されています。
例えば冒頭、『I Have A Dream(夢があるから)』を歌う〜手紙をポストに投函する前までは、
ソフィーはくぼみに腰掛けた状態です。
通常だと、ここは高めの階段の中央にあぐらをかいて座って歌っています。
また、『Knowing Me, Knowing You(離婚)』では、
立ち去るスカイをソフィーが追いかける
↓
「放っておくんだ。彼は正しい。」というサムの言葉でソフィーは舞台中央に戻り、
階段(上手側)に腰掛けて膝を抱える
↓
サムは階段(下手側)に腰掛けながらソフィーに声をかける
↓
語りかけながらさりげなく距離を詰めるサムを「お願い、今はやめて。」と拒否し、ソフィーは階段1段下がる
...という流れになっているのですが、
今回のセットでは、
ソフィーはくぼみに座り、サムは横で立って話しかける
↓
しばらくしてサムはしゃがむ
という演出になっていました。
個人的にはサムとの心の距離感や拒絶をあらわすために階段が効果的に使われているように感じていたため、
その演出がないのは少し残念でした。
金具
金具がないことで、必然的に上から覗き込むシーンや上からの登場シーンはすべて変更となっています。
冒頭、アリ・リサの登場は、上からではなく舞台上手奥から。
下手壁の上から、並んで顔だけを出して行う『Mamma Mia(マンマ・ミーア)』のアンサンブルコーラスは、
扉を開けたり壁の横から顔をだしたりに変更。
『Does Your Mother Know(お母さんは知ってるの?)』でも、上からの覗きこみはなしです。
大きな違和感を感じることはもちろんないのですが、元々シンプルなセットゆえ、
上下の視線移動があると広がりが生まれると思うので、個人的にはやはり金具ありの方が好きでした。
桟橋
最も大きな違いは、やはり桟橋がないことなのだと思います。
桟橋の代わりにスモークが焚かれて道ができています。
「ビルこそ本当の父親なのではないか?」とソフィーは思い、
騒ぎを抜け出したビルを追いかけて、初めて2人きりで話す大切なシーン、『The Name Of The Game(私は知りたい)』。
ここは通常、桟橋の上で行われるのですが、もちろんスモークの道の上で行われます。
また、ソフィーとスカイが旅に出る、ラストの『I Have A Dream(夢があるから)』。
ここもスモークの道の上を歩いていく形になります。
「桟橋があがると、最前列の下手寄りは舞台の奥が見えなくなる」くらい桟橋はせりあがるので
(よくそれを忘れてチケットを取って、「あ〜今日桟橋席!」と途中で気がつくという...笑)、
奥行きと立体感が生みだしてくれる重要な桟橋。
これがないのはとても悲しい限りでした。
ソフィーの髪型&ウェディングドレス変更
今回、ソフィーの髪型とウェディングドレスに変更がありました。
まず髪型はショートの外はねスタイルからサイドを編み込んだウェーブのダウンスタイルに。
こちらはすごく可愛らしく、演じておられた若奈ソフィーはとても似合っていました。
ウェディングドレスは、今までは肩が出るシンプルなデザインのAライン。
素材も張り感のあるものが使われていました。
ベールもオーソドックスで、白いバラのついたカチューシャで止めている形でした。
それが今回、肩の隠れるノースリーブのエンパイアラインのウェディングドレスに変更となりました。
胸下からの切り替えで、胸元には白い花がたくさん飾られていました。
ベールも頭頂部にはかからず、まるで古代ギリシャの物語に出てくるようなイメージ。
『マンマ・ミーア!』はギリシャ・エーゲ海の小島が舞台となっているため、
古代ギリシャの女神(ビーナス)をモデルにしているエンパイアラインのドレスに変更になっているのかもしれません。
でも、個人的にはウェディングドレスは前の方が断然良かった!!!!!
女で一つで育てられたという環境などを考えれば、シンプルなウェディングドレスが用意されるのも納得はできるものの、
やはりエンパイアラインは普段着るワンピースのラインに近く、特別感が出にくいなと思いました。
それに、『Slipping Through My Fingers(この手をすり抜けて)』の間奏、オルゴールが流れる場面で、
ドナとソフィーがウェディングドレスを2人で手分けして持って床に広げるシーン。
持ち上げると空中でふわりと広がるドレス、母娘の共同作業でドレスを広げていく様...がとにかくグッとくるシーンなのですが、
エンパイアラインのドレスだと空中で広がることもなければ、なんならソフィー1人で持ち歩き。
そこがちょっと、いや、すごく残念でした。
まとめ
今回は舞台装置の違いによる演出変更とソフィーの衣装の違いについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
やはり観劇回数を重ねると「このシーンのここが好き!」みたいな小さなこだわりが生まれてくるため、
それがないと少し寂しく感じるものだな、と思いました。
それでもパワフルな舞台であることは間違いないため、演出の違いも含めて楽しめたらと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。